夏期講習継続中

7月の夏期講習は早くも前半が終了。1カ月はあっという間だ。毎日けっこうな量の宿題が出るから、午前中で終わるとはいえあまりゆっくり遊びに行くわけにもいかず、勉強漬けの日々が続いている。すでにプレゼンと1回目のテストが終わったので、ちょっと気は楽になったけれど。
 

窓からの景色
今の教室から見える景色

 
今回のプレゼンのテーマは「あなたの暮らす社会を変えた人、またはそれに影響を与えた人」。すぐに思い浮かんだのはやっぱり、黒澤明、北野武、宮崎駿など映画関係の人たち。外国人もたぶん知っているし、と思ったのだけど、彼らは確かに映画界には影響を与えたものの、テーマとは少しズレている気がする。ということで考えた末、花森安治さんをピックアップ。朝ドラは見ていなかったけど、自分の仕事とも関連しているし、あらためて彼の人生を追ってみるのは悪くなかった。プレゼン資料をつくるのにもだんだん慣れてきて、いつも同じようなのだとつまらないから今回はこんなかんじに。スクリーンに映した途端、誰かが「きれい!」と言ってくれた(たぶん)ので、目を引き付けるのには成功。こういう工夫もプレゼンでは大切。

 プレゼン資料表紙画像引用元:http://www.kurashi-no-techo.co.jp/hanamorisan/

 
フランスらしくというか、プレゼンの評価項目には発音や話し方などの他に、全体の構成や立論といった項目も含まれる。この点については我ながらまずまずの仕上がり。どうやったら分かりやすく伝わるか、そのためにはどういうストーリーにすればいいかと考えるのは、日本語でもフランス語でも同じ。まあこういうのは仕事で散々やってきたから、これらの項目については実際、かなり評価も高かった。ただ、全体の点数は20点中15点。もうちょっともらえるかなと思っていたのでがっかり。もちろん、文法的な間違いはたくさんあっただろうけど、全部覚えて紙を見ずにしゃべったし、自分なりに納得の出来だったんだけどなあ。結局、パフォーマンスの問題なんだとしたら、日本語でもしゃべりが下手な人間にこれ以上の点数を目指すのは無理だ。まあ別に、この点数が何かに影響するわけではぜんぜんないのだけど、ちょっとショック。でも、他の生徒のプレゼンを見るのは、良くも悪くも勉強になる。みんなの言っていることを全部聞き取るのは発音の問題もあってなかなか難しいから、それは残念なのだけど。

さて、春学期よりレベルは1つ上がったわけだけど、クラス全体のレベルは前学期と同じか、もしかしたら少し低いかもしれない。前はしゃべるのが得意な人が多かったから、みんながすごくできるように見えただけかもしれないけれど、今のクラスは簡単な文法も怪しい人がけっこういる気がする。文法に関しては特に、このパリカト(パリ・カトリック学院)の生徒とそうじゃない生徒との違いを感じる。パリカトはかなりしっかり文法をやってくれるので、半過去と複合過去の違いとか、定冠詞と不定冠詞の使い分けとか、外国人が共通して分かりにくいと思うものもパリカトの生徒なら何度もやって頭に入っているけれど、夏期講習だけ受けに来ている生徒というのはその辺がけっこうあやふや。ここに来る前の自分と同じだ。ただ、聞き取りに関してはどこで勉強していようが違いはなく、私は相変わらず絶望的。テストも20点中10点だった。でも、たまたま周りにいた生徒たちの点数はもっと低くて、これにはびっくり。先生によると、できている人とそうでない人の差がすごくあったよう。最近、前よりほんの少し聞けるようになってきた実感があるのだけど、テストの音声はやっぱり難しい。

クラス全体の雰囲気はすごくよくて、前学期よりなんとなくやわらかい。割と年齢層高めのおじさまたちが多いから、人生経験豊富な彼らの存在がそういう空気をつくっているんだと思う。アメリカの生徒の割合が高いのだけど、彼らもずっと自分の意見を言ったり質問したりしているわけではなく、授業中に英語ばかり使うわけでもなく(この辺、かなり個人的偏見)、おとなしく先生の言うことを聞いている。

でも、ただ一つ残念なのは、この先生。決して悪いわけではないのだけど、特に良くもない。今まで当たった先生たちはかなりのベテランばかりだったから、初回から個性全開のユニークな授業が多かったけれど、この先生は特徴がなく可もなく不可もなくというかんじ。春学期の先生はしゃべるのがすごく速くてついていくのが大変だったものの、授業の内容は面白かったし、人間性も感じられた。今の先生はまだ若いから模索中なんだと思うけど、毎日遅刻してくる生徒や授業態度が悪い生徒への注意の仕方が嫌味っぽいのは考えもの。だいぶ機嫌が出てしまっている。もちろん、毎日平気で遅れてきたり他の生徒のプレゼン中にスマホを触っていたりする人には、個人的にもかなりイラッとする。でもこの辺、ベテランの先生たちというのはすごくうまく対処していて、さすがだなと思わせるものを持っていた。やっぱり人を導く職業には優れた人格も必要。いつも会社の愚痴ばかり言っていた自分には、絶対無理な仕事だ。

 罫線

 
パリは毎日、気温が30度近くまで上がったかと思うと、長袖が必要なほど肌寒かったりするけれど、それでもすっかり夏になった。この1カ月でどこまで上達するかは疑問だとはいえ、勉強している時間は無駄ではないはず。残りの2週間もしっかりついていこう。

 

トリコロールのエッフェル塔
7月14日革命記念日のエッフェル塔

 

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