リスボン4日目。もうそんなにたったとは思えないほど毎日楽しくて、バルセロナとはだいぶ時間のたつ速さが違う。でも今日も天気はいまいち。それに寒い。デニムとTシャツで外に出てみるとかなりひんやり。長袖シャツを着てちょうどいいぐらい。
行きたいところがたくさんあって、決められないままとりあえず旧市街へ。やっぱりこの雰囲気、いいなあ。来ると歩きたくなったから、今日はこの辺りにいよう。近くにコメルシオ広場が見えるので、まずはここから。にぎやかな通りを抜けて勝利のアーチをくぐる。
ここにはかつて宮殿があったということで、別名は宮殿広場だそう。周りを取り囲んでいる建物も立派だし、高貴な雰囲気がただよっている。
そして道路を挟んだ向こう側にはテージョ川が。川といってもものすごく大きくて、景色は海。セーヌ川とはだいぶ違う。
まだサン・ジョルジェ城を見ていなかった。一番最初に行っておかなくてはいけないぐらい重要なスポットなのに、なかなかたどり着けなかったのだ。写真はおととい、サンタ・ジュスタのエレベーターに乗って鉄塔に上がったときの景色を拡大したもの。一番上に見えているのがサン・ジョルジェ城。大きい。
丘の上まで歩いていこう。初日に乗った市電28番線を徒歩でたどっていくかんじ。それにしてもこの市電、本当に風情がある。緑や赤のものはどうやら観光ツアーに使われているようで、黄色いのが本物の市電みたい。
途中、カテドラルに寄ってみる。最初の日には前を通っただけだったから、一応中も見ておこう。カテドラルとか教会はあんまり興味ないのだけど、どこも厳かな空気に満ちているのは共通していて、ひんやりした静かなかんじがいい。ステンドグラスも好き。
ゆっくり坂道を上っていって、ようやくサン・ジョルジェ城の入り口に到着。見下ろすと、みんな頑張って上がってきている。
サン・ジョルジェ城はなんと1500年前、ユリウス・カエサルの時代に要塞として建設されたものだそう。今は公園のようになっているけれど、こうやって形が残っているってものすごい。そして、この景色。360度、どの角度からもリスボン市内が見渡せる。まさに絶景。サン・ジュスタのエレベーターがある鉄塔や、きのう見た4月25日橋も。
こうやって見ると、位置関係がよく分かる。左側、つまり南にテージョ川があって、少し北側に鉄塔やロシオ広場、そしてさらに北の右側に行くと近代的な街並みになり、今泊まっているホステルもこの辺り。きのう行ったジェロニモス修道院は橋の向こう側だから、だいぶ西側ということになる。ああ、こんな風に明確に何がどこにあるかを把握できたのって、今回はこのリスボンが初めてだ。これでやっと、この街に来たって気になった。観光スポットを点々と訪れるだけでは、何日いても通り過ぎただけのような感覚しか残らない。
入ってみるとやっぱりとても広く、しかも迷路のように細い通路がいろいろあって楽しい。なんかこういうの、俯瞰で見るとだまし絵みたいになりそう。
さて、ここからがメイン。一番楽しみにしていたアルファマ地区の散策。1755年の大地震の被害をあまり受けず、リスボンでもっとも古い街並みが残るエリア。こう聞いただけで、わくわく感が抑えられない。さっそく、歩いてみよう。
サン・ジョルジェ城のすぐ近くにある路地ももうこんなかんじ。狭い石畳の道に小さくてかわいらしい色の家が立ち並ぶ。
空も晴れてきた。どんどん奥まで行ってみよう。もうこれこそ迷路。少し行くと細い階段や抜け道があって、どこにいるのか、どこに向かっているのか、まったく分からない。
洗濯物が風景の一部のように、街並みに溶け込んでいる。スペインの白い村、フリヒリアナのようにきれいに手入れされておらず、ごみや落書きも多いし、壁が剥がれていたり改修中だったりするところもすごく多いのだけど、それがまたいい。狭い道を市電が壁に当たりそうになりながら通り過ぎていく。庶民的な、素朴な風景。これこそがリスボンの普段の暮らしなんだろうなあ。それにしても、天気がいいとこんなに写真が明るいとは。
迷い歩きをたっぷり楽しんだ後は、今日も市電に乗ってみよう。時間帯によってだいぶ乗客の数に差があるようで、幸いあまり混んでいなかった。でも、いい席は空いていなかったから一番奥の出口近くに立っていると、ちょうどすぐ後ろに同じ28番線の車両が。時刻表はあってないようなものだろうから、こんな普通ならあり得ない状況もよく目にする。
ガタゴト揺れがひどいし、つかまるところがあんまりないから、立っている人は注意しないと大変だ。ちなみに、大体いつもゆっくり走っているのだけど、たまに車が少なくて道がすいていたりするとものすごいスピードで通過したりするから、狭い道ですれ違うとけっこう危険。
30分ぐらい揺られて、市電とお別れ。最後に国会議事堂前へ行ってみる。ここは計算して新しくつくられた気配がするけど、これはこれで美しい。左の建物がおそらく国会議事堂。
なぜ国会議事堂なんかに来たかというと、ここから続くサン・ベント通りにおいしい手作りジェラートのお店があるらしいから。おなかが空いていたので、甘いものというよりはごはんが食べたかったし、ちょっと寒くなってきたからジェラートという気分でもなかったのだけど、気軽な値段だし試してみたい。けっこう繁盛しているようだ。
今日はコーヒーをチョイス。うん、確かにこれはおいしい。手作りというだけあって、ピュアですっきりした味わい。ただ、コーンが安っぽかったのが残念。
それにしても、この通りもきれい。骨董街としても知られるようで、ところどころにそれらしきショップも見かけた。本当に、どこを歩いても楽しい。
さて、明日はリスボン最終日。そしていよいよ、今回の旅の最後の日。出発ぎりぎりまで満喫しなければ。

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