リスボンより②

リスボン2日目。今回の旅で初めての朝食付き。しかも、思ったより充実している。このかわいらしいダイニングルームでゆっくり楽しめるのはうれしいなあ。人も少ないし。
 

 
今日も旧市街辺りへ行ってみよう。地下鉄は4路線しかないのだけど、パリのように番号ではなくそれぞれ名前が付けられているようで、マークもある。最初はこれが地下鉄のことだと分からなくて、何か別の交通機関なのかと思ってしまった。でも色で判断できるから分かりやすい。
 

 
まずやって来たのは、にぎやかなロシオ広場。ヨーロッパの広場って本当にきれいなところが多いけど、ここもまた大きくて美しい。
 

 
近くにあるロシオ駅も、なんとも趣きのある建物。

 ロシオ駅

 
この辺りは“低い土地”バイシャと呼ばれる繁華街で、京都のように道路が碁盤の目状に並んでいるらしい。レストランやショップがたくさんあり、観光客の姿も多い。

 繁華街

 
このすぐ近くに変わったエレベーターがあるというので、見てみたい。探さなくても、すぐそこに見えている異様な物体がそれっぽい。

 遠くから見える鉄塔

 
おー!なんだこれ。街並みに突然現れる巨大な鉄塔。地球の歩き方によると、エッフェル塔を設計したエッフェルの弟子のフランス人建築家が造ったとのこと。高さは45メートル。確かに、近づくと分かる細かい装飾がエッフェル塔によく似ている。でもなんのためにここに造られたのかは書かれていないので謎。
 

 
そういえば、リスボンにはフランス人の観光客がすごく多いようで、街ではフランス語をよく聞く。春学期に取っていたボランティアの会話の授業の先生も、リスボンが好きで何回か行ったと話していた。そのときに、ポルトガルではフランス語がけっこう通じるとも言っていたのだけど、実際に今日、おまわりさんにフランス語で道を聞いているフランス人がいて、なんとおまわりさんもフランス語で答えていた。スペインでは英語圏の観光客が多かったけど、フランス人はポルトガルの方が好きなんだろうか。

列に並んで15分ほど待ち、木製のエレベーターの中へ。料金は地下鉄のカードで払う。これ、きのう乗った市電によく似ている。クラシックだ。
 

 
上へはあっと言う間。10秒ぐらいだったと思う。着くとここが一番高いところではなくて、新たに1.5ユーロ払って階段を上がる。なかなか商売上手だけれど、せっかくここまで来たのだから上がらないわけにはいかない。

 階段

 
そして階段を上り切ると、この景色!日本人がイメージするヨーロッパの街並みってこういうのじゃないだろうか。残念ながら天気がよくなかったので、あまりきれいに撮れていないけど。
 

 
左の奥に見えるのが最初に行ったロシオ広場、その右隣りの四角く囲われているスペースがフィゲイラ広場。

 上から見た広場

 
こうやって上から見ると、道路が碁盤の目状になっていることに納得。それにしても、建物がかわいらしい。
 

 
階段を下りてエレベーターが着いた場所へ戻ると、ここからはカルモ教会に続く通路がある。
 

 
このカルモ教会というのは、かつてリスボン最大だったらしいけれど、1755年の大地震で倒壊したとのこと。この地震では6万人が亡くなったと言われているそう。昔のことだとはいえ、ものすごい数だ。ヨーロッパはほとんど地震がないイメージだけど、ポルトガルではけっこうあるんだろうか。日本人としては、思いを馳せずにいられない。

 カルモ教会

 
ガイドブックによると、近くにおいしいジェラート屋「サンティニ」があるというので向かう。創業1949年ということだからレトロな店構えを想像していたのだけど、今どきのお店だった。

 サンティニ外観

 
夏には行列ができるらしいけれど、今日は涼しかったせいもあるのか空いていた。キャラメルを注文したら、2つ選べるけど1つでいい?果物がおすすめだよ、と言われたので、ストロベリーをチョイス。変な組み合わせ。それならバニラにすればよかった。

 ジェラート

 
確かにおいしい。完全にストロベリーが勝っていて、キャラメルはほとんど分からなかったけど、上品な味だ。ヨーロッパのアイスはレベルが高い。パリではまだ試してないのだけど。

さて、ここから西側の“高い地区”バイロ・アルト方面へ向かって歩いていくと、突然左側に現れた!ビッカ線のケーブルカーが、明るく彩られた家々の立ち並ぶ狭い通りをテージョ川を背景に行き来する風景。

 ケーブルカー1

 
映画やポスターの撮影場所に使われるというのもなるほど、計算された絵のような眺め。なんて素敵な。ずっとここにいて、ケーブルカーが上がってきたり下りていったりするのを見ていても飽きない。ちなみにケーブルカーは、たぶん坂道をまっすぐ行き来するだけで、すごく短いのだと思う。それなのに途中で止まったりしているけれど。でも坂がけっこうきついから、生活している人にとってはありがたいはず。

 ケーブルカー2

 
ここからは周辺をとにかく歩く。リスボンの街は「情緒」「ノスタルジー」という言葉がぴったり。懐かしいような、ほっとするような雰囲気があって、日本でいうと昭和の初めのようなイメージじゃないかな。大きくて古い建物とすべてが調和して、この街の人たちののんびりした暮らしぶりがにじみ出ている。
 

 
この雰囲気をつくり出しているものの一つが石畳。よく見るといろいろなデザインがある。
 

 
それともう一つ注目したのは、タイル。家の外壁を美しく彩っているこれらの装飾タイルはアズレージョと呼ばれ、ポルトガルの伝統的な工芸とのこと。模様も多彩で、これがあることによって独特の街並みになっている。パリにはこういう色使いはない。
 

 
残念なのは、落書きがものすごく多いこと。家や壁はもちろん、ケーブルカーまでストリートアートのようになっていて、せっかくの美しい街並みが台無しだ。ほかの都市に比べてもけっこうひどいんじゃないかと思う。何とかならないんだろうか。

とはいえ、全部の通りが素敵だからつい足を踏み入れてしまい、うろうろしているうちにすっかり時間がたってしまった。でも、目的のないまま好きな道を歩くのって楽しい。外でもグーグルマップが使えるようになったから大丈夫だし。

帰る前に、リベイラ市場へ。スペインでも何度かのぞいた市場、見て回るだけでも楽しい。
 

 
ここは新しく改装されて、マドリードのサン・ミゲル市場によく似たスタイリッシュな雰囲気。ただ、お店はもっとスタンダードで、つまみというよりはちゃんとした食事が多いようだった。それにしても、こういうところってなんでこんなに高いんだろう。一人だとシェアもできないから、食事だけは本当に毎日面倒だ。結局、ぶらぶら2周しただけで、ここでは何も買わなかった。

でもリスボン、楽しい。行きたいところがいっぱいで時間が足りない。明日もどんどん歩こう。

 

タイル
おみやげ屋さんにはタイルもたくさん

 

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