今日もいい天気でスタート。ただ、セビーリャは暑すぎるせいか、空があまり青くない。熱気でかすんでいるような薄い色。バルセロナの空とはだいぶ違う。
午後から移動なので、この街にいられるのはあと数時間。13時には出たい。荷物をまとめてホテルに預け、まずは国鉄renfe(レンフェ)の駅までのバスを確認しに近くのドゥケ・デ・ラ・ビクトリア広場へ。バスって日本でも知らない地域だと乗りこなすのはなかなか難しいからあまり使わないのだけど、タクシーで行くのはさすがにもったいない。地図を見たら歩いても行けそうな距離ではあるけれど、わざわざ重い荷物を持ってそんなしんどいことする必要もないし。
駅までは32番の市バスが出ている。どこから乗るのか分かりづらいけど、地球の歩き方をよく見ると広場から少し外れたところに乗り場があるようで、そちらへ歩いてみる。あった。スーツケースを持った人たちが待っているから、たぶんここで合っているはず。とりあえずこれで確認はOK。さっそく、きのう上れなかったカテドラル隣のヒラルダの塔へ。
ヒラルダの塔は、元々モスクのミナレットだったものにキリスト教の鐘楼が付け加えられた、イスラムと西洋の融合様式。高さは97メートルとのことで、けっこう遠くからでもよく見える。カメラのレンズが汚れているのに気づかなくて、ちょっと写真が曇ってしまっているけど・・・。それにしても、すごい行列。この暑い中、ここで待つのか。時間あんまりないのになあ。
それでも15分ほどでチケット売り場へ入ることができた。余談だけど、ヨーロッパでは学生といえども、学割が適用されるのは大体25~30歳ぐらいまでなので、私はほとんどどこでも一般料金。せっかく国際学生証を日本でつくってきたのに。これにはしっかり生まれた年が書かれてあるから、みんなちゃんとここを見ているのだ。こういうところはきっちりしている。
チケットは聖堂内部とセットになっていて、みんな広い聖堂を見学している。でもここ、きのう無料で入れたんだけど。まあ、そもそも中には興味がないので、すぐに塔へ向かう。こういうところを上がるのって階段が多いけど、この塔の上へはゆるい傾斜をひたすら上がっていく。
だいぶ歩いてやっと到着。風があって気持ちいい。塔からの眺めを楽しむ。
思ったより街並みが白くて意外。もっとカラフルなイメージだったんだけどなあ。あの辺は歩いてないからかも。きのう行ったアルカサルやマエストランサ闘牛場、遠くの方にグアダルキビル川も見える。そしてこうやって見ると、この聖堂がスペイン最大というのがよく分かる。ものすごく大きい。
塔の上でゆっくりして、下りるともう12時半。結局、今日はここだけしか見られなかった。セビーリャはスペイン第4の都市だそうで、なかなかみどころも多いし街並みも楽しい。せめて丸2日はいたかった。せっかく来たのにもったいない。観光スポットだけで街歩きがほとんどできなかったのが残念。

後ろ髪を引かれつつ、宿に戻って荷物を受け取りバス停へ行くと、ちょうど32番のバスが来ていた。乗ってみると人がけっこういっぱいで、座席は全部うまっている。でも、荷物を抱えた旅人らしき人はいない。本当に駅に行くのか、また不安でいっぱいになりながら窓の外をしっかり見ていると、途中でバス内のモニターに路線図が出ていることに気づく。サンタ・フスタ駅・・・おー、あった!よかった。でも駅で降りる人がほかに誰もおらず、ボタンを押さないと止まらないということに気づかなかったので、ひと駅過ぎてしまった。ほかの都市では誰も降りなくても全部の停留所でドアが開いていたのに。こういうところが地域によって違うので難しい。でもとにかく、無事に到着。
かかった時間はわずか10分。なんだ、これならあと1時間ぐらい街にいても大丈夫だった。まあでも、それは結果論。遅れるよりましだ。列車のチケットはすでにネットで予約してあったのだけど、スマホに保存したPDFだけでいいのか不安になってインフォメーションで聞いてみると、機械でプリントアウトするようにとのこと。もう今はなんでもできる。自動券売機に購入番号を入力するだけで簡単に発券できた。このチケットがないと、ホームにも入れない仕組み。ちなみにパリでTGVに乗ったときは、乗る前も乗っている途中も一度も検札がなくてびっくり。タダ乗りしようと思えばできる。
サンタ・フスタ駅はさすがになかなか大きい。乗るのはAVE(アベ)という、いわゆる新幹線。乗る前にホームで荷物検査がある。車両は特等、1等、2等とあって、もちろん2等だけど十分快適。先進国の交通機関はもう、どこもそんなに違いはない。ただ、全席指定だから日本の新幹線みたいに直前にチケットを買って好きな時間に乗ることはできないのが不自由なところ。これで、スペイン国内の移動は飛行機、バス、鉄道とすべて利用したことになる。そして、これから向かう先は首都マドリード。

セビーリャから2時間半、予定時刻ぴったりにマドリード着。駅から見えるこういう景色、まさにマドリードのイメージ。
今日からはまたドミトリーだけど、適当に選んだ割にはけっこうよかった。部屋がすごく広くてゆったりしているし、今これを書いている共有スペースも明るくて居心地がいい。みんなけっこうここでごはんを食べている。ただ、また洗濯物を干す場所を探さないといけないのはつらいところだけど。
夕方にチェックインした後、少し周辺を散策。足の向くままに歩いていると、雰囲気のある門が見えてきた。地図で確認すると、あれはクチリェロス門。
通りの両側にはレストランが並んでいて、観光地っぽい雰囲気。あの門をくぐると何かありそう、と思って行ってみると・・・
おー。マヨール広場だ。国王フェリペ3世がつくらせたというだけあって、品格がある。こういうかんじがマドリードだなあ。やっぱりバルセロナより好きかも。
広場を抜けて歩いていくと、サン・ミゲル市場を発見。おなかもすいたし、ちょうどよかった。市場があるのはうれしい。そういえば、バルセロナのサン・ジュセップ市場にもだいぶお世話になった。迷わず入ってみる。
なんかサン・ジュセップ市場とはだいぶ雰囲気が違う。スタイリッシュでおしゃれなかんじ。ここは要するに、ワインバーみたいなものらしい。ところどころにお酒を注文できるカウンターがあって、食べるものも一品料理タパスが中心。どうも、飲みながらちょっと何かつまんで休憩しよう、という大人のための場所のよう。こういうとき、アルコールが飲めないって本当に損だ。別にお酒を注文する必要はないのだけど、飲めないやつは来るなと言われているような気になってしまう。とはいえ、いい値段なので、ここでこんなものを食べるのはもったいない。日本にもあるようなものにお金を使うのは控えよう。
市場を出ると、近くにスーパーが。観光客用の店で買うと高いから、1.5リットルの水とバナナ、リンゴは常にまとめ買い。セビーリャではスーパーが見つけられなかったから、水がだいぶ高くついてしまった。ここでは無事に確保。明日からゆっくりマドリードを楽しもう。
