マドリードは涼しい。朝、宿を出るとちょっとひんやりしたので驚いた。いや、とはいっても最高気温は38度ぐらいらしいのだけど、アンダルシアの焼けつくような日差しとはぜんぜん違う。それに、やっぱり湿度が低いから、気温が高くてもそれほど暑く感じない。
今日はマドリードの旧市街を散策。この辺りは歴史も古く、マドリードの中でもたぶんもっとも観光客の多いエリア。ホステルからも徒歩圏内。まずは、一番の目玉である王宮を目指そう。
ヨーロッパの通りにはそれぞれの名前が表示されていることをセビーリャで書いたけれど、このマドリードの表示板もまたいい。やさしい絵柄と色合いがいかにもヨーロッパ的。建物も彩り鮮やかだから、そこにかわいらしい絵が映える。
王宮に到着。うーん、さすがの風格。美しい。こうやって正面から見ると平面的に見えるけど、奥行きがものすごくあって、なんと部屋の数は2700。現国王はここではなく郊外に住んでいるということで、この王宮は公式行事に使われているそう。
チケットを買って、入口にたどり着くまでにけっこう楽しめる。外に広がるマドリードの街並みは、レンガ色だ。
王宮に向かい合うかたちで立っているアルムデナ大聖堂。これもまた、形といい色といい、お城みたいにメルヘンチックな建物。
さて、いよいよ王宮の中へ。まずは大階段。豪華なシャンデリアに天井画、華麗な装飾、まるで劇場のよう。
この先は撮影禁止だったのだけど、玉座の間、王の居室、磁器の間などさまざまな趣向が凝らされた部屋の数々が公開されていて、見応えがあった。西洋の建築って個人的にはあまり興味ないけど、ここは全体的にきらびやかで大胆で、でも気品があり、本当に童話の中に出てくる王様のお城そのままのイメージ。天使や女神や花や果物の装飾が施された銀食器もすごく繊細で美しかった。イスラムの宮殿とはまたぜんぜん違う趣き。
ゴージャス感をたっぷり味わって満足。外へ出ると、道路を挟んだオリエンテ広場からもその美しい姿が見えている。
周辺にある建物も落ち着いていて、この辺り一帯の優雅な雰囲気に溶け込んでいる。
暑くなってきたので何度もベンチで休みながら、近くのスペイン広場へ。作家セルバンテスを記念してつくられたそうで、そのセルバンテスと、彼が生みだしたドン・キホーテ、サンチョ・パンサの像が中央に見える。ドン・キホーテはクラシックバレエの演目として小さいころからすごくなじみがあるから、ここでこんな風に出会うのは不思議。
近くには大通りが走っていて、さすがは首都という迫力。この辺り、西梅田からフェスティバルホールに向かうときの四ツ橋筋によく似ているなあ。
観光客であふれる通りを歩いていくと、目指していたプエルタ・デル・ソルに着いた。なかなか写真では分かりづらいのだけど、大きな広場になっていて、観光の拠点ともなる場所。プエルタ・デル・ソルとは「太陽の門」という意味だそう。左に見えている工事中の建物はマドリード自治政府庁。
今日はこの王宮周辺をうろうろしただけだったけど、やっぱり雰囲気がいい。バルセロナほど都会すぎず、歴史が感じられて、観光客のにぎわいもある。普通に歩いているだけで楽しいというのは素晴らしい。
しかし、普通の気温になるとおなかがすく。一人だと旅行中はちゃんと食べないし、今までは暑すぎたからあんまり食欲もなくて、アイスや炭酸飲料でごまかしていたのだけど、これは本当はよくない。とはいえ、レストランに入ると高いので、たまたま見つけたちょっとおしゃれなスーパーで温めるだけのパエリアを買ってみた。ホステルのお皿に入れるとなかなか見栄えもいいし、実際けっこう味もよかった。
ちなみにアイスはほぼ毎日食べているけれど、バルセロナのアイスのレベルはかなり高かった。日本以外のスイーツは信用していなかったけど、どの店で買っても絶品で、それなりに肥えた舌も満足させてくれた。ただ、バルセロナ以外ではいまいちなのが残念。明日もまた、おいしいアイスを探そう。

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