スペインより⑧

今日はいよいよアルハンブラ宮殿。ここはもう10年以上前からずっと行きたいと思っていたところ。事前に予約しないと入るのが難しいので、実は今回の旅行で一番最初にここのチケットを押さえたぐらい。シーズン中は1カ月前でも取れないみたいで、実際4月のバカンス中にスペイン行きを考えていたから公式サイトを見てみたのだけど、ぜんぜん空いていなかった。そしてようやくチケットが取れたのだ。存分に楽しまなくては。

しかしその前に、まずは観光案内所を目指す。何しろきのう“アクシデント”があったせいで何もできなかったから、次の予定のために情報を仕入れておかなくてはいけないのだ。地図を頼りに市庁舎の中の案内所まで行ってみたのだけど、なぜか開いていない。観光案内所が休みなんてこと、あるんだろうか。
 

市庁舎
右手の建物が市庁舎

 
不審に思いながらも大通りに出てみると、なんだか人がいっぱい。セレモニーのような、パレードのようなものをやっている。最初は結婚式かなと思ったのだけど、そういえばホステルのお姉さんが、ちょうど街のお祭りの時期だと言っていた。きっとそれだ。だから観光案内所も休みなのかも……?
 

 
開いていないものは仕方がないので、次に探したのはATM。お金を下ろすためではなく、アルハンブラ宮殿のチケットを発券するため。というのも、予約はあくまでも予約で、チケットは現地で受け取るシステムなのだ。つまり、スペインに来なければチケットは手にできない。発券は宮殿のチケット売り場が一般的なんだろうけど、そこはけっこう混んでて待たなければいけないらしく、街にある la Caixa という銀行のATMでもできるとのことなので、試してみることにした。本当に今は、調べればたいていの情報は出てくる。最初に見つけたATMではなぜか発券できず、2カ所目で無事にチケットを入手。予約に使ったクレジットカードが必要。

 ATM

 
チケットを手にしたところで、アルハンブラ宮殿へ。歩けそうな距離ではあるけれど、行きは坂道を上らなければいけないので、街なかと宮殿を結んでいるらしいアルハンブラバスを利用。何しろ暑いのだ。バルセロナも暑かったけれど、このグラナダはレベルが違う。外に出た途端、真夏の熱気を感じる。40度近くあるらしいけど、湿度がなくカラッとしているから、大阪の夏に比べるとかなりまし。

 アルハンブラバス

 
10分ほどで宮殿に到着。アルハンブラ宮殿はものすごく広いからほかにも入口があるのだけど、チケット売り場のあるもっとも一般的な入場口で下車。

アルハンブラ宮殿は、スペイン最後のイスラム王朝、ナスル朝の初代王ムハンマド1世が建設を始めたもので、イスラム芸術の最高傑作と言われるほどの美しさで知られる。その後、ナスル朝はキリスト教徒によって滅ぼされたため、現在はスペインにこのイスラム建築の宮殿が残っているというわけ。この辺の歴史は今、あらためて見直したところ。

アルハンブラ宮殿の中でも一番のみどころであるナスル宮殿は入場時間が決められていて、チケットの予約と同時にこの入場時間を選ぶ。私は14時半。アルハンブラ宮殿自体に入ったのは13時すぎぐらいだったから、それまではナスル宮殿以外の場所を見学。たくさん見るところがあるのだけど、中でも見応えがあったのはアルカサバ。
 

 
見事な大パノラマに目を奪われて、軍事要塞だったということに納得。グラナダ最古の街並みが残るアルバイシン地区が一望のもとに。白壁のこの家々も、イスラム教徒によって築かれたものだということ。しかも、敵の侵入を防ぐ城郭都市としてつくられたため、迷路のように道が入り組んでいるらしい。おもしろそう。そしてあちら側からは、この宮殿が見渡せるはず。
 

 
そして14時半になり、ついにナスル宮殿へ。ところが行ってみると、すごい人!確かに、ネットにも順番待ちがあるって書いてあったなあ。でも、入場は指定時間から30分以内にすればいいらしいので、少し不安になりながらも列につく。きのうのことがあるから、ここでもまたしくじってしまったんではないかとドキドキしていたのだけど、前後に並んでいた人たちも同じ14時半だということが分かり、ひと安心。列といっても、バーコードをチェックしてどんどん進んでいくので、10分ぐらいで無事に入ることができた。

 ナスル宮殿前の列

 
政治の場であると同時に、住空間でもあったというナスル宮殿。ここだけで、もう見応えたっぷり。繊細な装飾、場所によって少しずつ異なるデザイン、多彩な色使い、完璧なシンメトリー。どこを見ても、どれを取っても素晴らしい。
 

 
写真では何度も見ていたものの、想像を超える美しさだった。こういう、蜂の巣のような緻密なイスラムの装飾って好きだから、ぜんぜん飽きない。イランのモスクなんかも見てみたいんだけどなあ。

サグラダ・ファミリアもよかったけど、やっぱりこのアルハンブラ宮殿も最高だった。ナスル宮殿だけでも十分、行く価値があると思う。こちらの方がだいぶ安いし。ただ、広いだけにものすごく歩く。そしてやっぱり暑い。たっぷり時間を取って、全部見終わったのは17時半ぐらいだったから、炎天下に約4時間いたことになる。帰りは歩いて坂道を下り、夕方になってだいぶ涼しくなったなと思っていたのだけど、通りにある温度計ではなんと37度だった。

いつもかなりの距離を歩く私だけど、さすがに疲れた。まあでも今日は一日、アルハンブラ宮殿の予定だったから、思う存分、堪能できて大満足。楽しかった。

 

庭園
宮殿内にはもちろん美しい庭園も

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