まさかの病院行き

新学期が始まって3日目、ひどい下痢に襲われた。それでも最初は特に何ともなく、その日は授業にも出たのだけど、徐々にしんどくなる。何も食べられないし、飲んでもすぐにおなかが痛くなってしまう。ただ、思い当たることがあった。学校が始まる直前までいたキューバで、一度おなかをこわしたのだ。でも、これは明らかに食べ過ぎが原因で、何かに感染したというわけではない。このときもかなり大変で、丸一日、何も食べなかったのだけど、2日後には良くなって普通に食事していた。でもきっと、まだ治りきっていなかったのだ。それなのに、肉やパスタを食べ、レモネードやコーラをがぶがぶ飲んでいたから(暑いから炭酸がおいしかった!)、悪化したんだと思う。そういえば、パリに戻ってきてからおなかの奥の方に少し痛みがあった。真夏のような暑さから雪の舞う真冬の寒さに逆戻りしたことも、体調がくずれた原因かもしれない。

翌日からは頭痛と腹痛も加わって、新学期1週目にして早くも2日間休んでしまった。前学期はどの授業も皆勤だったのに・・・。でも仕方ない。健康第一。週末もずっと寝て過ごしていた。ところが、いっこうに良くならない。社会人になってから胃がだいぶ小さくなったようで、少し食べ過ぎるとすぐにおなかをこわすようになってしまったのだけど、大体1日たてば良くなる。こんなに不調が続くとさすがに不安。ふらふらになりながらもネットで調べて、スメクタという飲み薬を買ってきた。日本でもスメクタテスミンという名前で売られているらしく、フランスでは下痢や食あたりの薬として定番なんだそう。ところが、これでも治らない。

 
スメクタ

 
ほとんど何も食べていないから、力が入らなくて立っていられない。シャワーを浴びるのもドライヤーをかけるのも必死。週明けから学校には行き始めたものの、電車で立っているのもしんどいし、駅や学校の階段がまたひと苦労。今は毎朝、4階の教室まで上がらなければいけないのだけど、ものすごくゆっくりとじゃないとたどり着けない。おまけに数日間で激やせしたから、スキニーのはずのデニムもぶかぶかで、歩いているうちにずり落ちてきてしまう。そんな状態で1週間がたち、ようやく観念して病院へ行くことにした。

向かったのは、パリに住んでいる日本人にはおそらくおなじみのアメリカン・ホスピタル。パリを少し出た郊外にある、いわゆる富裕層のための“セレブ病院”で、一般のフランス人にとっては憧れの病院らしい。日本人の医師がいて日本語で診察してもらえるから、旅行中の日本人にとっても心強い存在。何回か電話をした後、直接、日本人の先生につながり、予約もすぐに取れた。私が加入しているAIUを含め、いくつかの保険会社はキャッシュレスサービスというのを行っていて、診察代は病院から直接、保険会社に請求がいく。だから、立て替え払いやその請求の必要もない。利用して初めて知ったけれど、すごく便利なサービス。

 
アメリカン・ホスピタル

 
診察当日、午前の授業の後、メトロを乗り継いで病院最寄りのPont de Neuilly駅へ。ここからバスが出ているのだけど、早く着きすぎたので歩いて向かう。というのも、この辺は高級住宅街だというのを事前に調べていたので、どんな雰囲気なのか知りたかったのだ。確かに、童話に出てきそうな大きくて重厚な家やアパートが多く、閑静という形容詞がぴったり。パリ市内とは明らかに違う。多少不便でも、郊外に住みたいというお金持ちが多いのも分かる気がする。

 
アパート

 
15分ほどで病院に到着し、受付で日本人医師の診察を予約していることを伝えると、事前にほかの人のブログで調べていた通り「ミギ、ヒダリ、ミギ、4バン」と日本語で教えてくれた。日本人が多いんだろうなあ。中はなるほど清潔で落ち着いた雰囲気。入院しても快適に過ごせそう。日本人医師の診察室前にはテレビがあり、NHKの国際放送がかかっていた。診察自体は10分ぐらいで終わり、詳しい検査はしていないから原因も分からなかったのだけど、なかなか丁寧で感じもよかった。何より、日本語でやりとりできるのが安心。抗生物質と整腸剤を処方してもらい、3日たって治らなければまた来てくださいとのこと。スメクタも続けて飲むように言われた。ちなみに、フランスの医療は分業制になっていて、診察と薬の販売がそれぞれ独立しているため、薬は必ず薬局で買わなければいけない。日本のように診察の後、そこで薬ももらうというわけにはいかないから少し不便に感じるけれど、薬局は街中にたくさんあるので、見つけるのに苦労することはあまりない。

薬が効いたのか自然に治ったのか分からないけれど、翌日から徐々に回復し、今ではかなり良くなって週末には美術館にも行けた。まだ量があまり食べられないのだけど、まあこれも時間の問題だと思う。何より、寒さがだいぶ緩んできて最近は10度を超える日が続いているから、身体もずいぶん楽だ。それにしても日が長くなるのが早くて、少し前までは午後5時半で真っ暗だったのに、今はもう7時過ぎまで明るい。いい季節になっていくのに、体調をくずしている場合じゃない。海外での初病院は悪くない体験だったけれど、やっぱり健康が一番。

 

みかん
みかんでビタミン補給。意外においしい

4件のコメント

  1. 大丈夫か??よその国で病気になるのは不安やな(;_;)
    健康第一やな!私はcouchsufferingでホストしてるけど、ヨーロッパからのお客様はみんな風邪もひかず元気な人が多い。でも病気になったら不安よな~もし病気の人きたら優しくしてあげよう(笑)

    1. 病気っていうか、ちょっと調子悪くなっただけやねんけどな。めったに病院なんか行かへんし、旅行中もどこに行っても元気やねんけど、年齢のせいもあるんかも(笑)まあどっちにしろ今は元通りにやってるのでご心配なく!ありがとう。

  2. はじめまして。来年、フランス行きます。そのため、情報を模索している中、こちらへ辿り着きました!アルカシオンやビザ関係のお話しがとても参考になり、読ませて頂いています٩(•̤̀ᵕ•̤́๑)♪

    1. コメントありがとうございます。お役に立てているなら幸いです。
      ただ、手続き関係は変更も多く、やってみないと分からないことが多いので、あくまでも私の例として読んでください。
      楽しい滞在になるといいですね。

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