留学事情さまざま

ついに今週で秋学期が終わってしまった。今さらだけど、9月から4カ月間一緒に過ごしたメインのクラスのメンバーを振り返ってみると、11人中5人が日本人、そして台湾、韓国、ブラジル、ロシア、ウクライナ、シリアとなかなか多国籍で、何といってもこのうち学生が日本人3人だけというのがよかった。こっちで働いていたり、旦那さんの転勤で一緒に来ていたり、私と同じように仕事を辞めて自由の身を楽しんでいたり、みんなここにいる理由はさまざまだけど、大人が多い分、とても落ち着いた雰囲気だった。でも違うクラスの人たちに聞いてみると、やっぱりアジア人、それも学生がほとんどだったようで、私よりレベルの高いクラスにいた人は上智や慶応の学生が一緒だったらしく、彼女たちは授業中はやる気がなくてスマホを触ったりしているのに、フランス語はすごくできるということだった。うーん、私もそんなクラスだったらこの4カ月の印象がだいぶ違っていたかも。たまたまとはいえ、選んだクラスがすごく恵まれていたのだと実感。ちなみにその話をしてくれた日本人の女性も、仕事をしていないのにもう5年以上フランスに住んでいるようで、なかなか個性的。

 地球儀

 
前回の記事にも書いた通り、この学校、パリ・カトリック学院(通称パリカト)は質が高いから、生徒もやっぱり真面目な人が多くて、休みがちだったり途中で来なくなったりという人は、少なくとも私が取っていた授業では1人もいなかった。ただまあ、遅刻する人は毎日遅刻するし、それぞれの最後の授業のほとんどは半分ぐらいの生徒しか来ていなかったのだけど(ちなみに日本人はどの授業も全員出席)。私はメトロのトラブルで朝の授業に2回遅れた以外は、無遅刻・無欠席。社会人時代が長いと、こういうところはなんとなくきっちりしてしまうというのもあるのだけど、学費を考えたら1日休むだけでもすごくもったいないから、絶対休まない。でも、語学学校というのはさまざまで、中にはぜんぜん出席しなくても何も言われないところもあるらしい。こういう学校は大体、日本と同じで、とりあえず学費を集めるのが目的だから、生徒が不真面目でも別に構わないのだ。また、パリカトは学期の最初から最後まで授業を受けることが前提で、学期の途中から入ったりすることはできないけれど、毎週入学できる学校もある。期間が柔軟だから短期留学の場合にはこういう学校が便利だと思うけど、しょっちゅう生徒が入れ替わるから、勉強する環境としてはあまりよくないかもしれない。

これも前回の記事に書いたけれど、学生ビザの場合、一定時間の授業を取らなければいけないことになっていて、住んでいる場所によっても違うようなのだけど私は最低でも週15時間が必要。学生は学割というものがあるように補助の対象にもなるし、勉強せずに働くことがないようこんな風にルールが決められている。というのも、労働ビザに比べたら取得しやすい学生ビザを取って、働くために入国する例がこちらにはたくさんあるそうなのだ。まあ日本人にはあまりない発想だと思うけれど。学生ビザを申請するには、あらかじめ授業時間数を決めてその分の学費を払う必要があるのだけど、労働目的の人たちは学費の安い学校にとりあえず登録だけするらしい。学校としても、学費が入ればそれでいいわけだから、どちらにとってもおいしい話ということになる。だから、質の悪い学校というのもたくさん存在しているし、なかなかなくならないのだ。これらのことをトータルで考えると、日本の留学業者がパリカトを勧める意味も分かるし、日本人が多いのも分かる。

 罫線

 
さて、フランスに来て早くも3度目のバカンス。しかも今回は3週間もある。バカンス中に何をするかも人によってさまざまで、旅行に行く人が一番多く、一時帰国する人、そしてパリにとどまる人ももちろんいる。せっかくヨーロッパにいるのだから、さすがにいろいろなところに行かないともったいないと思い、いったんは計画してみたものの、やっぱり寒いのがいやでやめた。人一倍寒さが苦手なので、パリよりはだいぶ暖かいスペインでも最低気温が10度を下回ると分かった時点で断念。パリは今、数年ぶりの寒波のせいで最近は毎日、最高気温2、3度ぐらいしかないけれど、旅行となればずっと外にいなければいけないから、それに比べたらここにいる方がましだ。その代わり、4月にある次のバカンスからはどんどん出かける予定。

 

最後の映画の授業、3回目の“遠足”にて

 

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2件のコメント

  1. 日本人でも労働目的で学生ビザを取ってる人はけっこういますよ。労働ビザは出すのが大変なので、雇用主自ら、学生ビザで来てね、としてる場合もあるようです。学生は週20時間までしか働けないけど、20時間を超える場合はいわゆるノワールで対応してたり、、、。一昨年、通学の実態のない生徒に学生ビザを出していたパリの語学学校が摘発されて以来、学生の出席率の申告が厳しくなってるようです。

    1. そうなんですね。やっぱりよくある話なんですね。アルバイトなら、上限を超えて働いている人もけっこういると思うのですが・・・。でもそのおかげで、真面目に勉強しようとしている人まで学生ビザを却下されるというのは、迷惑な話ですよね。

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