春学期の授業登録

期末テストが終わり、早速、来月から始まる春学期のレベルが発表された。無事、B1-1に上がることができた。最初にこのパリ・カトリック学院(通称パリカト)に入ったとき、レベル分けテストの結果はA2-2だったのだけど、先生がこのクラスのメンバーには少し難しいと判断し、結局、授業は今も1つ下のA2-1の内容で行われている。だから本来なら、次は再びA2-2になるはずなのだけど、先生いわく、おそらく私は今のクラスが始まった時点ですでにA2-2だったから、もう1つ上がった方がいいとのこと。B1からが大体、中級レベルになり、このB1までいくことが私にとっては必須だったので、ほっとすると同時に不安も大きい。

A1から始まって、A2、B1、B2、C1まであるレベル分けはパリカト独自のものではなく、フランス国民教育省認定のフランス語資格、DELF・DALFのレベル分けもこうなっている。これらのテストは英語でいえばTOEICとかTOEFLのイメージで、世界共通。もちろん、日本でも受けることができる。去年取得した仏検2級はB1に相当するとされているから、その同じレベルのはずのB1に上がらないまま帰るわけにはいかなかったのだ。ただ、このDELF・DALFのテストは、聞き取りと会話のレベルが仏検に比べてかなり難しい。仏検は日本の資格らしく、文法や読解は細かいところまで問われるけれど、読み書きさえパスすれば話すのはあまりできなくても通してくれる。だから会話が苦手な私は、まずは仏検だけ受けてみたのだけど、DELFのB1の聞き取り問題がぜんぜんできない。クラスの中で一緒にB1-1に上がる人がほかにも何人かいるのだけど、みんなすごく聞けるし話せる。私は文法だけならおそらくかなり上の方なのに、会話能力との差がありすぎて、そこがやっぱり一番不安だ。
 

delf,dalfのロゴ

画像引用元:http://ensemblefr.com/delfdalf-tcf.html 

もうずっと思っていることだけど、読めるけど聞けない、書けるけど話せないというのはきっと日本の教育機関で勉強してきた人にとって共通の悩み。日本の場合、とりあえず文法を一通りやってしまって、しゃべれないまま難しい読解を始めたりするけれど、このパリカトでも文法は少しずつ学ぶ。実際、先生が次のB1-1でやる文法の内容を教えてくれたのだけど、私はすでに勉強したものばかりだった。日本人はフランス語にかかわらず、読み書きがよくできるからレベルの高いクラスに振り分けられて、会話にぜんぜんついていけないというのはよく聞く話だけど、4カ月授業を受けてきて、上のレベルにいかされる意味が少し分かった。特にパリカトは1クラスの人数がけっこう多いから、授業中に会話の練習というのは基本的にあまりやらない。だから、会話ができないからといって下のクラスにとどまっていてもそこを強化できるわけではないので、基礎ができているのであれば先生もそれなりのレベルに振り分けざるを得ないのだ。一般的には、話す能力よりも書く能力の方が一段階レベルが低いらしいのだけど、少なくとも私の場合は逆。日本人の学習方法ってやっぱり世界では特殊なのかも。まあでも、日本の教育方針のせいにしてもしょうがない。スタートは大学だったとはいえ、一人で勉強していた時間の方が長いのだから、こうなったのは自分のせいでもある。できないところから努力するしかないのだ。

ところで同じクラスの生徒を客観的に見てみると、英語ができる人はやっぱり上達のスピードが速い。これは英語を母語とする人ではなくて、習得した人という意味。私自身もそうだけど、いったん英語の構造を理解するのに苦しんだ人は、似たところの多いフランス語を学ぶときにはそこをスムーズに通過できる。逆に、英語が苦手な人にとっては、フランス語も難しいんだろうなと思う。まあもちろん、例外もあるけれど。私自身は日本でフランス語を勉強した期間はだいぶ長いけれど、中には半年(といってもフランス語漬けの半年だけど)で同じぐらい、またはもっと上のレベルにいる人もいる。これはかなり落ち込むけれど、ここで勉強していて感じるのは、やっぱり少しずつでも長い時間をかけて学んできたことは、けっこう身に付いているなということ。例えば動詞の活用なんか、習って少しすると忘れてしまうものだけど、私は何年もかけて何回もしつこく覚え直してきたおかげで、考えなくても割とすぐに出てくるのだ。自分では、ずっと同じことをやっているのにぜんぜん覚えられないと思っていたのだけど、意外とそうでもない。コツコツやることで、確実に力になっている。短い期間で同じレベルに達した人でも、そういう部分ではちょっと自分が先行しているなと感じる。まあ、会話で圧倒的に負けているからそんな比較は意味ないんだけど・・・。
 

雪の結晶

 
さて、自分の次学期のレベルが分かったところで、好きなクラスを選んで登録を終えた。考える時間はあまりなく、授業中に春学期の時間割を見せられてその場ですぐに決めなければいけないのはさすがフランス。今学期の選択授業は発音と映画にしたけれど、次はもちろんまた映画、そしてフランスのモードを選んだ。こういう、日本語でも受けられる文化講座のような授業って、技術的なフランス語とは違って内容もおもしろいし、楽しみだ。ちなみに授業は週18時間。この登録時間はビザの種類によってさまざまで、私のような学生ビザの場合、最低15時間は必要だけど、安全策を取って18時間にしておいた方がいいと留学業者に言われた。あまり少ないと、ビザが下りない可能性があるのだ。でも、ほかの生徒に聞いてみると15時間の人もけっこういるから、その辺はフランス大使館の判断次第ということなんだろう。

パリカトはほかの語学学校よりも授業料が高い分、やっぱり質も高くて、先生たちはみんな熱心だし人柄もいい。とはいえ、やっぱり相性というものがあるので、そこに関してはちょっと心配。ただ、こればっかりは実際、始まってみないと分からないから、それまでに少しでも聞き取りが上達するよう勉強しておかなければ。

 

セーヌ川沿いの景色
春にはまだまだ遠いパリ

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください