パリの年末年始

新しい年が明けた。日本では今、お正月飾りが静かに街を彩っていると思うけれど、パリでは相変わらずイルミネーションが輝いている。このきらびやかな光が街にあふれだすのは日本と同じ11月下旬ごろからなのだけど、クリスマスが終われば即、姿を消すわけではなく、それどころかいまだにクリスマスツリーも立ったまま。日本ではクリスマスというと24、25日だけのイベントのような感覚だけど、キリスト教の祝日はいろいろあるらしく、特にこの2日間だけが大事というわけではないよう。テレビでも「encore Noël!(まだまだクリスマス!)」といっている。26日から完全にお正月モードになる日本とはぜんぜん違うので、これには少し驚いた。ただこのイルミネーション、思ったより派手ではなく、どちらかというとシンプル。日本の方が凝っているしゴージャスかも。
 

 
バカンス中でもあるクリスマスは、フランス人にとって家族と過ごす時間。この時期、日本の年末年始と同じように、小さな子供と一緒に大きな荷物を持って電車に乗る人をたくさん見かけた。意外だったのは、レストランが閉まっていること。日本ではクリスマスにレストランでちょっと豪華な食事をするという人も多いけど、こちらではクリスマスには家に集まってみんなで食事をする習慣があるので、お店も閉まっているのだそうだ。学校の授業で先生に聞いてびっくりしたのだけど、24、25日の2日間は実際に電気の消えたレストランが多くて、通りも閑散としていた。
 

テレビでは、日本でもおなじみ「ブッシュ・ド・ノエル」の特集も

 
そんなクリスマスとは逆に年明けのカウントダウンは、友だちや恋人と一緒ににぎやかに迎えるものだそう。シャンゼリゼ通りの人出はすごいと聞いていたけれど、テレビで見るだけでも本当にすごい。このときは凱旋門もプロジェクションマッピングによる楽しい演出があったようだけど、この人ごみを見るととても行く気にはなれない。ニュースでは日本でやるのと同じように、先に新しい年を迎えた国の年明けの瞬間の様子を伝えていたけれど、中国や台湾も含め、どこも音楽を鳴らし花火を打ち上げて派手にお祝いしている。このアパートの近くでも、少し花火の音が聞こえた。個人的には、冬空に鐘の音が響く日本の情緒ある年明けが好きだけど、そういう静かなお正月は世界では珍しいのかもしれない。
 

シャンゼリゼ通りの人出

 
バカンスに入ったころはまだ10度を超える日も多くてそれほど寒くなかったけれど、クリスマスを過ぎてから一気に寒波がきた。ここ何日かは最低気温マイナス3度、最高気温2度ぐらいの日が続いていて、本当に寒い。しかも、明日からは学校だ。2週間も休んだのに、新年こんなに早く普段の生活が始まるとぜんぜん休んだ気にならないし、お正月気分もまったくない。まあ一人暮らしをしていると、実家に帰らなければお雑煮もおせちもないのは日本にいても一緒なのだけど。

 

年明けの凱旋門
素敵な一年になりますように

 

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