退屈な授業

パリもだいぶ暖かくなってきて、長かった冬もやっと終わり。まだ気温が安定せず、急に寒くなったりするから、冬のコートを直すのはしばらく先になりそうだけど、それでも気分的にだいぶ楽。夏時間に切り替わって日も長くなったし、こうなると出かけるのが楽しい。桜がないのは残念だけど、春っていい季節だ。
 

リュクサンブール公園
花にあふれるリュクサンブール公園

 
さて、4月から久々に学校通いを再開。というのも、3月は1カ月休んでいたのだ。今通っているところは授業料が高くて、そろそろ休みを挟んでいかないと続けられないので、この後ももうあまり行けない。そんなことをしているのなら日本に帰ればいいのだけど、まあ帰ってもそんなにいいことはないから、可能な限りここにい続けたい。

以前の記事にも書いたけれど、休みに入る前の先生はすごくよくて、授業内容が本当に充実していた。このまましばらくこの先生だったらいいと思っていたのだけど、残念ながら今回は1カ月だけの契約だったらしく、あっという間に終了。そのタイミングもあって、3月を休みにしたのだ。そして久しぶりに行ってみると、去年9月、この学校に来た最初の週に当たった先生が担当。1週間だけで合わないなと感じて、もう二度と教わりたくないと思っていた人。そのときは運よく次の週からクラスが変わり、それ以来たくさんの先生に教わったものの、この人はずっと避けることができていたのに。巡り巡って、また戻ってきた。そして、やっぱり好きじゃないなとあらためて確認。

特に、この週の授業の内容が、前に通っていたパリカト(パリ・カトリック学院)も含めてもう10回以上やった条件法で、個人的に新しいことが何もなかったことと、もう一つのテーマである現代アートにもほとんど興味がなかったことで、毎日すごくつまらなかった。それに、この学校は1クラス最大7人までのはずなのに、この週は例外的に8人いたことも大きい。常に15~20人ぐらいいたパリカトに比べれば確かに少人数なのだけど、やっぱり5人以上になると会話するには多くて、実際みんなほとんどしゃべれていなかった。例によって、隣の人と2人で話す時間はたくさんあったけど、これも何度も書いている通り、せっかく授業を受けに来ているのに分からない同士でしゃべっても意味がない。
 

罫線1

 
でも何より、先生の人柄が好きになれないのだ。教師としてはたぶん優秀で、頭もよく経験も積んでいるのだけど、どうしても相性が合わない。別に緊張はしないのだけどリラックスもできないから、ぜんぜん楽しくないし、どちらかといえば苦痛。他の先生だと、言葉に詰まっても助けてくれたり、待ってくれたりするのに、この先生はこちらがまだ話そうとしているにもかかわらず、すぐに他の生徒に話題を振ったり、次の話題に移ったりする。それがなんとなく、私がしゃべるときだけそうしているように感じるから、さらに悪い。

一口に「話す」といっても何を重視するかは先生によってバラバラで、例えば去年の年末まで担当だった先生は、たくさん話すことと同時に文法通りきれいに話すことを求めていた。だから、話好きな欧米人だけがデタラメな文法で気持ちよくペラペラしゃべり続けるという状況にはならず、口数が少なくても構造的に正しく話せる私はこの先生によく褒められていたのだけど、今の先生はどちらかというと、文法よりも中身を重視するタイプ。内容も「芸術とは?」みたいな深いテーマだから、表面的なことじゃなく、自分の意見をきちんと掘り下げて発表することを要求している気がする。

でも、パリカト時代にも思っていたことだけど、それってもはや言葉の問題じゃないから難しい。個人的に、自分がどう感じているかをその場で言葉にする作業は日本語でも苦手なので、当然フランス語だと余計にうまくいかない。みんなよく、個性的な意見をすぐに思いつくことができるなと感心する。たぶんこの先生は、日本人は文法はたくさん勉強しているけれど、それを使って自分の考えを言うことはできないというのをよく知っていて、ちょっとそれをバカにしている感じがあるのだ。自分の弱点を知っている人は、それだけで一緒にいると居心地が悪いのに、そういう態度を取られるとますます意欲を失ってしまう。
 

罫線2

 
結局、人数が多い点と、文法が簡単すぎるという点は、クラスを決める責任者である別の先生に訴えて改善されることになったのだけど、しばらく担当の先生が変わることはなさそう・・・。この責任者の先生によると、先生たちにもバカンスがあるし、今の先生が好きだから変わってほしくないという生徒もいるので、なかなか難しいとのこと。でも、それって変だ。私だって、いい先生のときはずっとこのままのクラスがいいと思っていたのに。この学校は、そもそも短期間だけ勉強しに来る人を対象にしているから、長くいる生徒にとっては不満な点が多い。

授業の内容についても、その週の生徒のレベルに左右されるのが大きな問題。週によって、難しくなったり簡単になったりする。私はこの学校ではだいぶレベルが高くて、大体いつも1番上か2番目のクラス。よくできる人がたくさんいれば上のクラスになるけれど、今のようにあまりいないとそのレベルのクラスが成立しないので、普段より下のクラスに入れられる。だから、簡単すぎるからといって上がることもできない。まあこれは入る前から予想していたことではあるのだけど、大学付属の語学学校に比べると全体的なレベルはどうしても低いので、本格的に勉強したい人にとっては限界があるのだ。

それにしても、先生によってこちらのやる気はかなり変わる。留学で来ているのに学校が面白くなかったら、どうしたらいいんだろう?まあ、自由に行ったり休んだりできることはこの学校の大きなメリットなのだけど、学生ビザで来ている以上、一定期間は通わなければいけないので、あんまり休んでばかりいるわけにもいかない。でも、好きじゃない先生に習うぐらいなら、自分で教材を使って勉強する方がよっぽどマシだと思うんだけど。

 

アイスクリーム屋
早くもアイスクリーム屋の前には行列が

 

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