スペインより⑮

前回からのつづき。無事にチェックアウト後、しばらく宿のフリースペースにいてこの終わったばかりの初体験をさっそくブログに書き始めるものの、掃除のため追い出されたので、せっかくシャワーを浴びた肌に日焼け止めを塗って今日もマドリードの街へ。出発は夜だから、丸一日ある。寝てないのでかなりしんどいけど、楽しまなければ。

マドリードには美術館がたくさんあり、美術館めぐりが主要な楽しみ方の一つ。でも、今回はいい。パリにもびっくりするぐらいたくさんの美術館があるのにぜんぜん行けていないし、見ておきたいものもなさそうだから。こういう人にとってマドリードはバルセロナに比べると観光スポットが少ないのだけど、それでも街歩きは断然こちらの方が楽しい。

向かったのはマドリード最大の公園カサ・デ・カンポのテレフェリコ(ロープウェイ)乗り場。高いところが好きなので、上がれるところには絶対に上がってしまう。このロープウェイはよかった。市内とそれを見渡すような美しい王宮をずっと眺めながら空中散歩。展望台に特に何もなかったのが残念だったけど。
 

 
またロープウェイで戻った後は少し街歩き。というか、本当は暑いし、疲れていたからメトロに乗るはずが、駅までなかなかたどり着かないので結局歩いたのだ。でもこの川沿いや、橋の向こうに見える王宮、周辺にある住宅街はすごくいい雰囲気。閑静で、ある程度にぎわいもあって、住みやすそうな地域だ。川辺の景色は京都の鴨川沿いに少し似ている。
 

 
やっと地下鉄に乗れて、やって来たのはソフィア王妃芸術センター。ピカソやダリなどの20世紀現代アートが展示されているそうで『ゲルニカ』だけでも見ておこうかなと思ったのだけど、もうこの時点で疲れ切っていたのでやめた。暑すぎる。

 ソフィア王妃芸術センター

 
近くには大きなプエルタ・デ・アトーチャ駅がある。セビーリャから高速列車アベに乗ってマドリードに来たとき、この駅に着いたはずなのだけど、あのときはすぐに地下鉄に乗ってしまったから中をぜんぜん見ていなかった。熱帯植物が置かれた待合室が特徴的。
 

 
ここからプラド通りや王立植物園沿いを歩きながらプラド美術館を目指す。緑があると気持ちがいい。暑いけど。パリのセーヌ川沿いにあるような古本市も出ていて、やっぱりこの辺は文化的な薫りがする。風格のある建物が並ぶ通りも落ち着いた雰囲気。
 

 
着いた、プラド美術館。

 プラド美術館1

 
パリのルーブル美術館、ロンドンの大英博物館ぐらいマドリードの定番観光地だと思うけど、せっかく来たにもかかわらずここもパス。好きな絵もあるとは思うのだけど、絶対に見ておきたいものはなさそうだし、入るなら丸一日かけないともったいない。でもこの場所はすごくいい。大通り沿いだけど、美術館らしい非日常的な静けさに包まれている。時代が変わっても、この建物はずっと変わらずここにあって多くの作品を守ってきた時間の積み重なりが感じられる。
 

プラド美術館2
左側に見える建物がプラド美術館

 
プラド美術館のすぐ先にあるシベーレス宮殿。かつて中央郵便局として使われていたそうで、現在は市役所本部になっているとのこと。普段は無料で見られる常設展示があるらしいのだけど、残念ながら工事中。ヨーロッパって本当にこれが多い。

 シベーレス宮殿

 
宮殿前の噴水は、レアル・マドリードが優勝したときにファンが集まる場所として有名だそう。

 宮殿前の噴水

 
さて、もういい時間だ。宿に戻ってひと息つき、また出発。やって来たのはチャマルティン駅。夕方に見たプエルタ・デ・アトーチャ駅よりも小さい印象。

 チャマルティン駅

 
これから乗るのは寝台夜行トレンホテル。ちゃんとして寝台車って初めてだ。向かう先は、ポルトガルの首都リスボン。

 リスボン位置

 
この寝台車にもいくつかクラスがあって、一番いいのは食堂車での夕食と部屋ごとのシャワー付き。安いのはドミトリーで、同性4人部屋。ドミトリーにしようか迷ったけど、きっとすごく狭いし、相部屋になるだろうから面倒だし、思い切って夕食なしの個室Cama Preferenteを取った。個室といっても本当は2人部屋なのだけど、1人で予約すると1人で使え、知らない人と2人になることはないそう。この辺りはものすごく検索して調べてから予約。ただ、移動とホテルの一石二鳥とはいえ、ドミトリーで1泊してLCCで移動するのと結局同じぐらいの値段なのだけど。
 

 
国境を超えるものの、ここでもパスポートのチェックはなし。部屋は狭いけど、1人なら快適。コンセントもある。ただ、シャワー付きの部屋だと思っていたのに、それは違ったみたい。この辺はきっと列車によって異なるので、実際に乗ってみないと分からないのかも。でも、物置き台のようなところに水道のマークがあって、開けてみるとなんと、お湯が出る!おー素晴らしい。これならシャワーはなくても体を洗えるし、歯磨きもここでできるじゃないか。もうこれで十分だ。何より、ベッドがあるからやっとちゃんと寝られる。
 

 
これでいよいよ、スペインともお別れ。

 

車窓からの景色
車窓から最後のスペインの景色を望む

 

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