バルセロナ最終日。10時になるまで6人部屋の誰一人起きず、目を覚ましてびっくり。といっても、やっぱり相部屋だとうるさいしよく寝られなくて、夜中に何度も目を覚ますから、このときも寝ているような起きているような状態だったのだけど。今日も気持ちのいい快晴。外に出た途端、皮膚がじりじり焼かれるような暑さ。肩の日焼けの熱がずっと収まらないので、2軒の薬局で湿布がないか聞いてみたのだけど、どうも日本のような湿布というもの自体があまり存在しないよう……。もう少しよくなるまで半袖で我慢しよう。
今日はどこに行こうと宿を出てから考えて、まだ行っていない新市街を見てみることに決定。4日目のグエル公園に入れなかったのが心残りだから、きのう日本にいる妹にスカイプを通してクレジットカード情報を伝え、家の安全なネット環境でチケットを取ってもらおうとしたのだけど、なぜか支払いが拒否されてしまった。実はスペイン国鉄のチケットをネットで予約するときに、スペイン以外で発行されたカードだと通らないというのが有名なのだけど、これも同じ現象かも……。世界の観光地とは思えないこの不親切さ。でも、この時点でもう17時半以降の予約しか取れなかったから、直接行っても何時に入れるか分からないし、潔くあきらめることに。残念。
新市街には大学地区があり、その名の通りZona Universitària駅で降りると、確かに大通りの両側にアカデミックな建物が立ち並ぶ。学生の姿もいっぱい。パリ14区のCité Universitaire駅の近くもまさにこんな雰囲気。若々しくていいなあ。ただ、いくつかの大学がここに集中しているのか、1つの大学の各学部なのかはよく分からないけど。
ちょうどお昼どきだったから、学校前にたくさんある安い惣菜店やパン屋に学生たちがあふれていた。こういう光景はどこの国でも変わらない。
大学地区の隣は団地のようになっていて、これもたくさんのマンションが連なっている。旧市街にあったような独特のバルコニーの付いた建物ではなく、日本でもよく見かけるモダンなマンション。色使いがスタイリッシュ。
すごく閑静で住みやすそう。これこれ、こういう普通の住宅街、現地の人が普段通り生活しているところを歩くのって、なんか面白い。観光客がぜんぜんおらず、本来の雰囲気を味わえるからだろうけど、きっとそういうのって無意識に感じ取っているものなんだと思う。
激しく道に迷いながらも、近くにあるグエル別邸にたどり着く。実業家グエル氏の週末の邸宅で、ガウディが増改築を手がけたとのこと。このバルセロナでは、グエルとガウディの名前が本当によく出てくる。今は大学建築部の講座本部に使われているようだけど、見学もできるみたいで、何人か入っていくのを見かけた。
だいぶうろうろしたけど、ほかにみどころは特になく、あとは旧市街やランブラス通りに戻ってぶらぶら。最後にカタルーニャ音楽堂へ行ってみる。設計者は、ガウディ作カサ・バトリョの隣にあったカサ・アマトリェールを手がけたリュイス・ドメネク・イ・モンタネール。彫刻やカラフルな模様が美しい。こういうユニークなデザインや石造りのざらざらした質感がいかにもスペイン。内部見学はガイドツアーに参加しないとできないということだったから、なんだか面倒でやめてしまった。ちょうど30分後にフランス語のツアーがあったのでそれでもいいかなと思ったのだけど、きっとスペイン人のフランス語だし。
さて、こんなところでバルセロナは終了。大体6日もいれば、なんとなくどこに何があるかぐらいは分かるようになるものなのに、毎日違うところに行っていたせいもあってぜんぜんダメだった。たぶんバルセロナは今回の旅行で一番大きな街のはず。初めに大変なところが終わったので、こんな言い方も変だけどちょっとほっとしている。でも、大きい大きいと書いていたバルセロナ、今調べてみたら、パリよりほんの少し小さいそう。パリの方がよく知っているからということを除いて考えても、やっぱりバルセロナの方が大きく感じるなあ。モダンで、開放的で、ダイナミックな印象。ただ、みどころは多いけどやっぱり歩いていて楽しい街ではなかったのが残念。もちろん、あくまでも個人的な感想だけど。
明日は次の街へ移動。予習しておかなければ……。