再び期末テスト

最近、やっと気温が連日20度を超え始め、ようやく初夏の陽気になってきた。思った通り、春の終わりごろの肌寒さがなかなか消えず、日本がゴールデンウイークに入った4月最終週に最高気温10度ぐらいの日々に逆戻りしたときは泣きそうだった。でもこれで本当に冬のコートの出番も終わりのはず。朝はまだ上着がないと寒いけど、夕方4時ぐらいから一気に暑くなってきて、夜は10時ごろまで明るい。こういう現象は日本にはないものなので、ちょっと不思議な感じ。

さて、2月に始まった春学期ももう今月で終わり。秋学期は精神的に余裕があったので毎日がゆっくり過ぎていったけど、今学期はついていくのに必死だったから倍ぐらいの速さで時間が進んだように感じる。でもその割にはまったく成果の出ないフランス語・・・。先週、恒例の期末テストが行われ、その結果が返ってきた。まあ、散々だ。

 
テスト表紙

 
前学期と同じようにテストの前には特に勉強はせず、忘れがちな条件法や接続法の活用を見直した程度。ところが、そういう機械的な文法問題は一切なく、聞き取り2問、読解1問、作文1問の計4問。これで3時間いっぱい使ってなんとか足りるぐらいだった。後から同じクラスの中国人の女の子と話をしたのだけど、彼女も頑張って活用の復習したのにー!と苦笑い。上にいけばいくほど、問題自体が難しくなっていく。

●聞き取り
2問とも1分前後のおそらくラジオ番組で、それぞれ10個ぐらいの質問に答えなければいけない。ほとんどが選択問題だったからまだましだったけど、3回ずつ聞いてもいつも通りぜんぜん分からないので、結局半分ぐらいしかできていなかった。もちろん、自分で答えを書かなければいけないものは全滅。みんなも難しかったようで、テスト中に笑いが起きるぐらいだったのだけど、最終的に平均点がどれぐらいだったのかは不明。

●読解
A4用紙1枚分の文章を読んで解答。時間は十分あったから何度も読んで、それなりにできたと思っていたのだけど、なんと聞き取りよりも点数が悪かった。いつもそうなのだけど、難しい単語はそんなに多くないのに、全体として意味が取れていない。そして、落ち着いて読めば理解できるはずの文章が、テスト中には頭に入ってこなかったりする。やっぱり読む練習量が足りていないんだろうか。

●作文
一番よくできていたのがこれ。テーマが2つ用意されていて、どちらかを選び200の単語で文章を書く。200「字」ではないところが日本語と違って面白い。まあさすがに書くのはそこまでひどくないので、多少むりやりだけどなんとか筋が通るようにまとめた。仕事柄、どんなテーマでもそれなりに組み立てる自信はある。書き終わってから数えてみると20ワードぐらい足りなかったのだけど、もう疲れていたし時間も迫っていたので、そのまま提出。案の定、「ちょっと短くて残念」とコメントが書かれていたけど、それでも文法の間違いもあまりなく、20点中17.5点。ただ、何か書けばそれなりに点数はもらえるだろうし、クラスで一番よくできる生徒は19.5点だったから、特に高い点でもなかったのかも。でも人と比べる必要はなく、絶対評価でいいのだ。

●会話
いわゆるスピーキング。上記3つとは違う日にあり、個別に10分ずつ、別のクラスの先生を相手に話をする。これもテーマがいくつかあって、それらが1つずつ書かれた小さな紙を封筒の中からランダムにまず2つ取り、その2つを読んで好きな方を選ぶ。事前に、テーマが難しいとか、テーマは簡単だけど文法的に正しくしゃべらないと減点されるとか、いろいろなうわさを聞いていたのだけど、実際にはテーマが問題だった。私が引いたのは「家族以外で出会った面白いキャラクターの人」と「ジャーナリストは完全に独立した(束縛されない、自由な)状態でいられるか?」の2つ。こういう場合、別にうそを言っても構わないと思うけど、前者については何も思い浮かばなかったので後者を選択。それなりに思うところはあるのだけど、それをフランス語で説明するって!準備時間5分ではほとんど何もできず、とりあえず話す内容だけを考えてスタート。すでに自分自身でも認識している課題なのだけど、文法が複雑な上に単語や表現がすぐに出てこないから、一つずつ考えながらものすごーくゆっくりとじゃないとしゃべれない。だからある程度正しく話せていたとしても、短い文章でさえ話し終えるのに時間がかかる。何とか無事に10分が過ぎて、最後に先生に言われたのは「テーマに対してよく考えているけど、時間が必要だからもう少し速くしゃべる練習をしないとね」。まさにその通り。それこそやらなければいけないことなのだ。でも点数は大甘につけてくれていて、思ったよりよかった。

これらすべてを総合した平均点は20点満点で14点。フランスではなぜかすべて20点満点で計算するから分かりにくいのだけど、日本の大学と同じように7割以上で“合格”らしいので、14点はぎりぎりOKということになる。もしかしたら、7割になるようにどこかで点数調整してくれたのかもしれない。厳しいと言われるこのパリカト(パリ・カトリック学院)だけど、留年というか同じレベルをもう一回やれと言われることは少なくとも私の知っている限りではなくて、一学期ちゃんと出席していれば普通は1つ上のレベルに上がれる。初級クラスから飛び級する人も割と多い。まあ、自主的に同じレベルにとどまる人はいるようだけど。でも、レベルといっても結局は先生によるところも大きいのだ。今学期の先生の授業はすごく難しかったけれど、同じレベルの別のクラスから移ってきた生徒は、ぜんぜん内容が違う!こっちの方が断然難しい!と言っていた。だから私も違う先生のクラスにいたら、こんなに落ちこぼれていなかったかもしれない。
 

罫線

 
余談だけどテストのとき、辞書やスマホで単語を調べる生徒たちがけっこういるのには驚く。日本人はカンニングなんて絶対だめだという感覚があるけれど、隠れて見るならまだしも(よくはないけど)、先生に辞書を使わないよう注意されて「でも分からない単語がいっぱいあるから」と正直に答える生徒には思わず笑ってしまう。こういうところに各国の文化や意識の違いが表れていて、なかなか興味深い。

フランスでは6月から夏休み。不思議なことに普段から週末の金曜は欠席率が高いし、バカンス前後も人が少ない。テストも終わったしそろそろまたみんな来なくなるころだけど、あと1週間、なんとか乗り切ろう。
後日調べたところ、夏休みは通常7月からのようなので訂正)

 

ブティック前
4月でもショーウインドウにはコートが

 

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