効果的な授業とは

今週、先生が体調をくずして2日間休んだので、代わりに2日とも違う先生が授業をした。いつもはテキストが中心で、読み・書き・聞き取りの練習が多いのだけど、1日目の先生は普段からテキストを使わない方針らしく、まずは1人1人自己紹介をして先生の質問に答え、そのあと、文章を聞いて書き取るディクテーションをやった。1人がじっくり話をすることも、それをみんなで聞くことも普段はないから、まずはそれが新鮮だったし、ディクテーションも授業では初めて。内容自体はそんなに難しくなかったのだけど、この先生はとにかくどんどんしゃべることを促す人で、すごく活発な授業だった。対照的に2日目の先生はまあ普通で、可もなく不可もなくというかんじ。ただ、2日間終わったあとで同じクラスの台湾の生徒と話をしてみると、1日目の先生はちょっとプレッシャーをかけすぎだから、2日目の授業の方がよかったそう。彼女は普段から積極的に発言するので、逆に強要されるのは好きじゃないのかも。でも個人的には、絶対にしゃべらなければいけない状況をつくってくれる方が訓練になる。

 黒板とチョーク

 
9月から授業を受けてきて、苦手な聞き取りはおそらく一番訓練できているからそれはいいのだけど、今度は話すのがぜんぜんだめだと感じてきた。英語の例で考えると、書ければしゃべれるはずなのであまり心配していなかったけれど、やっぱりその場ですぐに単語や言い回しが出てこないことが多い。今通っているパリ・カトリック学院(通称パリカト)は上達のための体制が整っていて、ボランティアの先生たちによる会話のクラスを無料で受けることができるのだけど、私もこれに週1回通っていて、最近はみんな来ないからラッキーなことにマンツーマンで教えてもらっている。それから休み時間にはなるべくほかの生徒と話すようにしていると、よく使うフレーズはだいぶスムーズに出てくるようになった。でも、もちろんまだまだ十分じゃない。

いつもと違う先生の授業を受けて、上達のためには一体どんな内容がいいんだろうと考えた。個人的には読み・書きや文法はあまりやらなくていいから、今知っている知識を使ってもっと聞く練習と話す練習をしたい。ディクテーションは効果的だしずっと緊張感を保つことができるので、授業でやるのはありだと思う。でもよく考えたら家でもできるから、その時間は別のことをやってもらった方がいいともいえるのだけど、みんなが同じ状況なのではなく学校でしか勉強できない人もいる。読解も同じで、自分でもできるし授業ではあまり時間を割いてほしくないけれど、これを積極的にやらなければ新しい語彙や表現が増えないし、話せるけれど文法はできないという人もいるから、やっぱり文法もなしというわけにはいかない。

ただ、週に12時間ある「総合フランス語」の授業のうち、2、3時間だけでも会話の練習に充ててくれないかなと思う。クラスは11人いるからなかなか1人ずつ話すというのは難しいかもしれないけれど、例えば毎回何かテーマを決めて、今の自分のレベルでとにかくできる限りしゃべってみる。私が講師だったら、こういう授業をしてみたい。普段の授業では、隣の人と2人で意見を言い合うよう指示されることが頻繁にあるのだけど、これは隣の人のレベルによって濃度がかなり違う。よくできる人同士だと会話が始まるのも早いし、すごく話が弾んでいたりするけれど、ほとんど何も言葉を交わしていないペアもいる。いずれにせよ、これだけだとあまり効果的な練習にはならない。

 アーガイル柄罫線

 
ところで、パリカトは授業でプレゼンをするのが恒例らしく、今週は私にも順番が回ってきた。課題は「自分の街」で、クラス全員が毎回1人ずつそれぞれ住んでいた街を紹介する。もちろんフランス語で。プレゼンなんて仕事でもほとんど経験がないのだけど、どんな相手に、何を紹介するのかということを踏まえた上で内容を選別しレジュメにまとめるという作業は、仕事でやっていたのととほぼ同じ。けっこう楽しみながら資料をつくり、テキストを読むだけになってもおもしろくないので、文字はあまり書かず頑張って覚えてしゃべった。特徴のある大阪でよかった。

残念なのは、自分のフランス語が必ずしも全員に通じていないことなのだけど、ほかの人の発表を見ていて思ったのは、すらすらしゃべっているように見える人でも実はけっこう間違っているのではないかということ。自分で聞いていて気づくことはまああまりないのだけど、あとから先生が指摘するのを聞いていると、割と簡単な文法でも正しく使えていなかったりする。でもそういう人たちは、間違っていようがとにかく言葉がどんどん出てくるのだ。だからやっぱり、とりあえずは知っている表現を使って何とか意志を伝える訓練が必要。

それにしても、このプレゼンってなかなかいい。日本の会話教室ではおそらくどこも同じだと思うけど、毎回 Quoi de neuf?(英語のWhat’s new?)と聞かれるので、何か考えていかないといけない。でも、人に語れるような出来事ってそうそうないから、週1回のクラスだったりするとけっこう大変だ。だから代わりに、毎回1人ずつプレゼンをやるっていうのもおもしろいかも。

 

パリの大気汚染

恒例の大気汚染による車両規制のため今週は公共交通機関が無料に
画像引用元:http://www.afpbb.com/articles/-/3110578

 

記事のタイトルまたは日付をクリックすると、コメントしていただけます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください