排水管が詰まる

先週、シャワーの排水が遅くなっていることに気づいた。それまでは、洗濯もしながらどんどんお湯を流しても何ともなかったのに、すぐにシャワースペースにたまってしまう。頭や体を洗うときにはいったん止めて流れるのを待っているのだけど、ものすごく時間がかかり、その間に体が冷えてしまう。でもそのままお湯を出し続けるとあふれてしまうし、毎日ちょっとずつ流れるスピードも落ちていくので、どうしようもなくなって対策を調べてみた。

フランスの建物は古いので、元々水回りのトラブルが多いということは知っていた。でも調べてみると、排水管の詰まりというのは、フランスに住んだらもれなく誰にも訪れるイベントらしい。それにしてもまだ1カ月なのに!そもそも、排水溝には日本みたいに網カゴのようなものが付いていなくて、フタもない。だから髪の毛も何もかも穴から全部流れていってしまう。開けられないようになっているから中の掃除もできなくて、最初は手間いらずでラッキーと思ったのだけど、甘かった。どうも排水管が細かったり、下に伸びているのではなくて90度横に曲がったりしているらしく、水が流れないということがしょっちゅう起こっているようなのだ。
 

排水溝

 
そういうときにフランス人が使うのがDesTopという超強力な排水管洗浄液。日本でもパイプユニッシュみたいなのがあるけれど、普通はめったに使わないと思うし、私自身は使ったことがない。そもそも、排水ができなくなったというトラブルを経験したことがないのだ。ところがフランスでは頻繁に詰まりが発生するし、そうなるとこのDesTopを使うのが一般的で、スーパーに行くと種類も豊富にそろっている。とりあえず、一番安いのを買ってきて試してみた。
 

DesTop

 
使い方は簡単で、薄い紫色の液体をそのまま流して45分置いておくだけ。最初はボトルの半分ほどの量を流し、1時間ほど置いてみたけどあまり変わらなかったので、残りを全部流して一晩そのままにしておいた。すると次の日から流れる流れる!最初のころと同じように、ストレスなくシャワーを浴びられるようになった。何でも、ごみや髪の毛などをすべて溶かしてしまうとのことで、フランス人はいまだにこんな劇薬を日常的に垂れ流しているのだ。まったくもって先進国とは思えないエコな習慣・・・。日本にいる友人にこの話をしたところ「ニキータだな」と言われた。残念ながら覚えていなかったけど、映画『ニキータ』の中で、ジャン・レノ扮する掃除屋が死体を溶かすために浴槽で硫酸をかけるというシーンがあったのだ。確かにDesTopでもいけるかも。

ところでフランスの掃除についていろいろ調べてみると、重曹とお酢がいいらしいということが分かった。日本でもこの2つを使った掃除方法が紹介されているけれど、フランスでは特に効果があるらしい。というのも、こっちの水は日本と違って硬水なので、使い続けているとシャワーヘッドやケトルに白い粉状の石灰が付いてくる。まだそれほど気にならないけど、重曹とお酢で洗うとこの石灰がきれいに取れるのだそうだ。また洗濯にも効果的で、洗剤と一緒に入れると洗い上がりのごわごわ感が緩和されるとのこと。さっそくスーパーで重曹とお酢の洗剤を買ってきた。環境にもいいし、日本に帰ってからも続けよう。重曹というのはそもそも調味料のコーナーに置いてあるので当然料理にも使えるのだけど、パスタをゆでるときに入れると縮れができてラーメンのようになるらしいというのも、日本人にとってはうれしい情報。
 

重曹とお酢の洗剤

 
硬水というと、肌が荒れるとか髪の毛がパサつくという話をよく聞くけれど、今はまだ日本から持ってきた石けんとシャンプーを使っているせいか、まったくそんなことはない。もうすぐシャンプーとリンスがなくなるので、こっちで買ったものを使ってみよう。それにしても、早いところ排水溝のフタを手に入れないと!一応フランスにもあるらしいのだけど、まだ見つけられていない。今は、日本から持ってきた台所用の水切りネットを小さく切って穴にかぶせ、足で押さえて急場をしのいでいるけれど、さすがにちょっと苦しい。でも毎月あんなケミカルな液体を使い続けるのは、地球人として気が引けるしなあ・・・。

 

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