ソルボンヌ・ヌーヴェル大学に登録する

晴れてソルボンヌ・ヌーヴェル(パリ第3大学)のフランス語コースに入れることが決まった。個人的には合格通知をもらった時点でこの学校選びの話は終わりだったのだけど、登録手続きがなかなかユニークだったので書いておこうと思う。
 

大学外観
左側に大学の建物を眺めながら入り口へ

 
ソルボンヌ・ヌーヴェルの場合、正確には外国人向けの語学課程は大学の「コース」の一つ。つまり、私も大学生ということになる。同じように大学の付属課程でも、前に通っていたパリカト(パリ・カトリック学院)、そしてソルボンヌ(パリ第4大学)の場合は、それぞれ大学からは完全に独立した語学「学校」になっているので、その位置づけは大きく違う。そのため私も、大学の学部に入る生徒たちと同じように、登録手続きをする必要があった。

登録のための手順は以下の通り。
①必要書類(パスポート、出生証明書・大学卒業証明書のフランス語法廷翻訳原本)を事務局に提示し、引き換えに登録用紙をもらう
②学生社会保険システムCVECの登録料90ユーロを支払う
③もらった登録用紙に記入し、②の支払い証明書とともに提出。同時に授業料を納付

②のCVECというのは今年始まったばかりの制度で、フランスの高等教育機関に入る場合には必ず支払いが必要。今までの制度がどうだったのか知らないから、これの中身については何とも言えないのだけど、支払い自体はネットで簡単にでき、すぐに証明書が発行される。

私の場合、コースを変更したため通常の登録期間を過ぎていたようで、すぐにこれらの手続きを終える必要があった。まずは書類をそろえて、正式に入学案内が届いた翌日の午前中、さっそく事務局へ。ただ、CVECの支払い証明書のコピーと、持参が必要な切手がない。たまたま前日に、アパートから徒歩3分ほどの場所にコピー屋を見つけていたので行ってみたところ、まだ開店前。10時から営業との貼り紙を確認し、時計を見ると9時50分。仕方なく先に切手を買うことにして、アパートを挟んで反対方向の郵便局へ向かう。ところが切手を購入し、10時10分に戻ってみると、まだコピー屋のシャッターは閉じたまま。こういうことがあるから、早めに行動しておくに越したことはないのだ。大学の近くには絶対コピー屋があるはずなのだけど、確実じゃないし、ここが開くのを待っていてもいつになるか分からないので、たった1枚のためにわざわざメトロで3駅先にあるコピー屋へ向かった。時間はかかっても、知っているところの方が安心。

無事にコピーを終え、やっとのことで必要なものをそろえて事務局を目指す途中、大学のすぐ近くにコピー屋を発見。やっぱり……。事前に確認しておけばよかったけど、もう遅い。時間を無駄にしながら事務局へ着いて書類を提示したところ、なんと。卒業証明書のフランス語翻訳版原本を忘れてしまっていた!元々持っているオリジナルは日本語ではなく英語だから、なんとなくアルファベットに引きずられて、フランス語版のことは思い出しもしなかった。でも、登録には必要とのことで、仕方なくアパートへ取りに帰り再チャレンジ。近くでよかった。

そのまま引き続き支払いもするのかと思っていたら、意外な展開。翌日にもう一度来いとのことで、予約票を渡された。見ると支払いのための予約で、時間まで指定されている。支払いに予約がいるって……。結局この日は、遠回りして手に入れたCVECの支払い証明書と切手はいらなかった。30分で終わるところ、1時間半かかったことになる。なんなんだ、まったく。それから、登録用紙を渡されて記入してくるようにとのこと。白い方は説明書。
 

登録用紙

 
ただ結果的に、支払いは翌日で助かった。というのも、後から気づいたのだけど、実は支払いに必要なカードも忘れていたのだ。支払いは一括のみで、普段使っているフランスの銀行のカードには限度額があるため、日本のクレジットカードを使おうと思い準備していた。ところが、いつもはそのカードを持ち歩いていないから、財布に入れるのを失念。入学が決まり、安心して気が抜けたのかも。ちなみに他の支払い方法は、口座振込、小切手、郵便為替と、ややこしそうで避けたいものばかり。やっぱりカードが簡単。

翌日、記入を終えた登録用紙とクレジットカード、再びCVECの支払い証明書と切手を貼った封筒、それに顔写真を持って、今度はまた別の事務局へ。前の日には、いくつかの部屋の前に登録を待つ生徒たちの列ができていたのだけど、この日は朝一番だったこともあり、ほとんど待たずに手続きできた。担当の人が登録用紙の情報をPCに打ち込んだ後、カードで支払いを済ませると、無事に終了。最終的に切手は必要なく、これについてはちょっと癪に障るものの、その場で学生証をもらうことができた。フランスのカードって、どれもなんとなく安っぽいのだけど、ちゃんとSORBONNE NOUVELLEのロゴが入っている。
 

学生証

 
このカードをもらったのが実は今週の金曜で、入学試験から2週間、落ち着かない日が続いたことになる。これでようやく、正式に学校が決まったと思ったら、月曜からもう授業。なんかギリギリだけど、きっとフランス全体がこんな風に動いているんだろうなあ。

今の時点の時間割では、午後からの授業という初めてのパターンだから、最初はリズムをつかむのに苦労しそう。本当は午前のクラスがよかったのだけど、ソルボンヌ・ヌーヴェルでは学部も含めて、朝の授業はなんと8時から始まる。毎日これはなかなか大変。ただ、私の場合は近いし、これだけ早いとみんなそのうち来なくなるだろうから、逆に人数が減っていいかもと思っていた。そういう意味ではちょっと残念。今度は大学の近くに学食があるから、早めに行ってお昼はそこで済ませることにしようかな。

そして一つ、楽しみなことが。知り合いのフランス人に言われたのだけど、映画学科があるソルボンヌ・ヌーヴェル、映画の授業もたくさんあるはずだから、勝手に入って講義を聞けばいいのだ。大学の授業は大階段教室で行われるものも多いので、関係ない生徒が混じっていたって分からない。なるほど、そんな手があったか!というわけで、今は映画学科全クラスの時間割を見ながら、面白そうな授業の目星をつけているところ。

 

学生証裏
学生証の裏側はかわいい

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