パリ大学付属語学学校を受験する①

以前から何度か書いているけれど、こちらの新学期である9月から学校を替えるため、2つの語学学校に出願した。いずれも国立のパリ第3大学(通称ソルボンヌ・ヌーヴェル)とパリ第10大学(通称パリ・ナンテール)の付属校。この2校を選んだのは、今までの学校に比べて圧倒的に学費が安いこと、でも大学付属で質は高いことが理由。

ちなみに、フランスの大学はほとんどが公立で、公立の場合、なんと授業料がかからない。今回受けた外国人対象の語学学校は、付属とはいえさすがに無料ではないもののかなり安いし、例えば一定のフランス語力を身につけたあとに公立大学に進学すれば、私でも授業料を払わずに勉強できる。もちろん、これは税金で賄われているのだけど、教育にお金がかからず、留学生までその恩恵を受けられるというのは素晴らしい。それに、フランスには日本のような受験制度はなく、バカロレアと呼ばれる大学入学資格があれば誰でも大学に入れるのだ。ただ、今マクロンさんが入学要件をより厳格にしようとしていて、この春には国内のあちこちの大学で学生による反対暴動が起こった。有名な1968年の5月革命からちょうど50年の節目に同じような光景が再現されて、興味深くニュースなんかを見ていたのだけど。
 

学生暴動

画像引用元:causeur.fr

 
さて、今回受験した2校はいずれもパリ大学。設立は12世紀ごろと、ものすごく歴史が古い。元々は1つの大学だったのだけど、5月革命後に分割されて現在は13のパリ大学がある。日本ではソルボンヌという名称が知られているけれど、これは1つの大学の名前ではなく、第1、第3、第4の3つのパリ大学がそれぞれソルボンヌと呼ばれているそう。まあ、1から13まであるどのパリ大学も名門なんだと思うけど、その辺の位置づけはさすがによく分からない。

ただ、語学学校はこれら13すべてのパリ大学にあるわけじゃなく、調べた限りでは第3、第4、第10の3校にのみ存在する。このうち留学生に一番人気なのは、ソルボンヌ文明講座と呼ばれている第4大学付属の語学学校で、ここに行っている人は、私が前に通っていたパリカト(パリ・カトリック学院)と同じぐらい多い。でも、このソルボンヌは入学金さえ払えば誰でも入れる分、それなりに授業料が高く今の私には条件が合わないので、残りの2校にした。第4のソルボンヌに行くなら、パリカトに戻った方がいい。

ただ、2校とも安いだけに手続きは面倒。しかも人数制限があり、入れない可能性もあるため、一応併願にした。お金がかからず質がいいなら、なんで日本の留学業者はもっと積極的に紹介しないのだろうと疑問だったのだけど、こういうことなら納得がいく。特に日本から出願する場合、入学が保証されないというのは不安だし、初めて留学するならもっとウェルカムな雰囲気の学校の方が安心かもしれない。私も日本にいるときは、これらの語学学校の存在さえまったく知らなかった。

今回、情報を調べるところから始まり、フランス語の説明を一から読んで書類をそろえテストを受け、パリ・ナンテール大学からは無事に入学許可が出た。ソルボンヌ・ヌーヴェル大学の方も、ここまで順調に進んでいる。手続きは実際にやってみると大したことはなかったけれど、すでにこちらで1年半以上生活し、なんとなくこんなもんだなというのを分かっている分、アドバンテージが大きかったと思う。それぞれの詳しい手続きについては次回。

 

68年5月革命

個人的にかなり興味のある68年5月革命
画像引用元:Le Parisien

 

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