フランスで髪をケアする

去年の秋ごろから髪が抜けやすくなった。洗っているときやドライヤーをかけているときはもちろん、普段、何気なくちょっとなでただけでもすーっと2、3本落ちていく。年齢のせいかなと思っていたのだけど、あまりにも大量に抜けるので不安になって調べたみたところ、同じように抜け毛に悩んでいる海外暮らしの日本人をネット上にたくさん発見。原因はなんと硬水とのこと。でも、こっちに来て最初の2年ぐらいは特に何もなく、むしろこのクセ毛には湿気のないフランスの気候が合っているように感じていたのだけど。

硬水対策として有効なのは、まずシャワーヘッドを替えること。硬水を軟水に変換するシャワーヘッドがあるらしく、これを使い始めてから明らかに髪が抜けなくなったとブログなどに書いている人が多い。でも、紹介されているものはたいてい日本製で、確かに信頼感はあるけれどそれなりに値段もするし、わざわざ日本から取り寄せるのもためらわれる。そこで調べてみたら、フランスにも割と手ごろなものがいくつかあったので、とりあえずよさそうなものをいくつかピックアップ。

でもその前に、もっと気軽な2つ目の方法を試してみることにした。シャンプーを替える。フランスに来て以来、スーパーで売っているチープなシャンプーしか使ったことがなかったのだけど、これでうまくいけばシャワーヘッドよりも安上がりだし、すぐ手に入るのがいいところ。実は少し前に、すごくいいオーガニックシャンプーを使っていた。日本人の友だちが、自分の髪に合わなかったからということでくれたものなのだけど、手触りがしっとりして、いい感じにまとまる。ところが、調べてみるとなんと約30ユーロと驚きの値段。これはさすがに高すぎる。で、あらためて情報収集した結果、よさそうだったのがKLORANEというブランドのシャンプー。
 

 
種類がたくさんあって迷った末、最終的に選んだのはズバリ「chute de cheveux＝抜け毛用」。本当は、水色とか黄色とかグリーンとかやさしい色がよかったのだけど、なかなか鮮烈なワインレッド。でも、その見た目に反して香りはほんのり爽やかで、清涼感がある。このシャンプーシリーズはどれも植物由来の成分を使っているらしく、確かにナチュラルで控えめな香り。テクスチャーはさらさらとしていて泡立ちはよくないものの、洗い上がりは髪にしっかりコシが出て手触りはしなやか。乾いてもやわらかくなめらかで、美容院に行った後みたい。
 

 
あまり期待せずに試してみたものの、予想以上によかったのでコンディショナーも買ってみた。こちらも同じ香りで、中身は白に近い薄いピンク。
 

 
このブランドの製品はスーパーには売っておらず、薬局にしか置いていないようだけど、薬局はパリにはたくさんあるからそんなに遠くまで行く必要はない。価格も約7ユーロとリーズナブルで、高級すぎないのが魅力。ただ、店によって値段はけっこう違った。
 

 
今のところ、明らかに抜け毛が減ったという実感はないものの、前に比べればマシになった気はする。硬水が原因なら根本的な解決にはならないのだけど、7月に日本に帰ったとき、2週間以上も軟水で洗っていたにもかかわらず特に変化は感じられなかったから、シャワーヘッドを替えたところで一緒かもしれない。それならもう少し、このシャンプーとコンディショナーで様子を見てみてもいいかも。

あと、洗いすぎないことも大事らしい。これは有名な話だけど、フランス人は日本人みたいに毎日、お風呂に入らない（というか、シャワーをしない）。髪質や体質の違いもあるようだけど、確かにこの季節でもカラッとしていて汗はかかないので、頭を1日洗わなくてもそんなに不快感はないのだ。髪を失わないためには、そういう習慣の見直しも必要かもしれない。
 

 
ちょうど髪の話題なので、これも使ってみて当たりだったフランスのスタイリング剤について。今はずっと、いわゆるクセ毛を生かしたスタイルというのをキープしているのだけど、どうしても全体的に広がってしまうため、いつも先の方だけちょっとワックスをつけて抑えている。日本で愛用していたものがあったからしばらくは送ってもらっていたのだけど、いろいろと手間がかかるし、こっちでいいのがないか探してみたところ日本語のサイトで紹介されていたのがこれ。
 

 
小さくてスタイリッシュなルックスが高ポイント。使い心地もよく、ベタつかずふわりとナチュラルに仕上がる。甘い香りはどちらかというとメンズっぽいけれど、嫌な甘さじゃない。スーパーで気軽に買えるし、これは正解だった。
 

 
そういえば日本に一時帰国中、もうずっとお世話になっていてこのブログも読んでくれている美容師さんに髪を切ってもらったのだけど、美容院に行ったという話がぜんぜん出てこないので、ちゃんと手入れしているのか心配してくれていたらしい。確かに、美容院については書いていなかったので、これもついでに。

日本人の多い場所ならどの国のどの街でも同じだと思うけれど、パリには日本人経営の美容院がたくさんあって、在住の日本人も大体そのどこかに通っている。いくらこちらの生活になじんでも、さすがにフランス人に髪を切ってもらうのはおそろしいので、日本人美容師はとても必要とされているし求人もよく出ている。私が通っているのは知り合いの日本人に教えてもらったAquaBlueという美容室。15区に2軒あり、どちらに行っても日本人の美容師さんが日本と同じサービスをしてくれる。美容師さんには当たりハズレがあるものの、サービス自体はあまりにも日本と変わらないから今まで特に書かなかったのだった。
 

画像引用元：AquaBlueホームページ　http://aquableu-studio.fr/

 
ちなみに、パリで美容師をしている人の事情はさまざま。女性は10代、20代のころからこっちに住んでそのまま就職したという人が多く、男性は一時的に滞在している人が多数派。これまでに2人、男性の美容師さんに担当してもらったけれど、なんと2人とも奥さんの転勤についてきたということだった。確かに、手に職があればどこでも仕事ができるし、必要なフランス語も限られている。ただ、そういう人はいずれ日本に帰ってしまうため常に人手が足りないという問題もあるようで、だからよく募集しているのだ。でも、パリの美容院は週休2日だし、祝日も休みだから、そういう面ではやっぱりこっちで働く方がいいとみんな言っている。
 

 
髪の悩みといえばもう一つ、白髪が増えてきた。今のところはまだ少ないので、短く切ってしのいでいるけれど、そのうち染めたりしなければいけなくなるんだろうなあ。そういえば、ブロンドの人というのはあまり白髪が目立たないんだなということをこちらに来て知った。アジア人の黒髪はとてもきれいだけど、環境や年齢に合わせて美しくキープするのはなかなか大変だ。